他のシリーズ作に比べて加入するユニットに偏りがあり、好みに関係なく特定のユニットを育てる必要性や束縛性が高い。入手できるパワーUPアイテムや特殊武器も数が少ないので、ゲーム的にも一本道的な印象が強い。だがストーリーはGBAのFE中群を抜いて秀逸である。
重く苦しい運命に抗って、健気に明るく振舞う登場人物達というのが本筋。ラストはお約束としてハッピーエンドなのだが、歴史上スターウォーズEP1〜3的な位置に属するため、末路への儚さを心に与える。前作「封印の剣」を遊んだ方にはすでに明白だが、本作のストーリーの20年後には彼らの歴史と栄光はほぼ全て消えている。その歴史の陰に消えていった人間たちが、いかに重い運命と残酷な結末に立ち向かい、戦ったのか。そういうストーリーの根幹が肌に合えば、先に挙げた一本道的な部分や瑣末な台詞のくささは気にならなくなる。
私的にはあまり暗いゲームは好きではないし、この作品はナイトの極端な弱体化もあったりして、システム上は支援会話が後で見られること、EDの人物列伝が全員詳細化されたこととペアEDの採用以外はあまり好きではない。悪の親玉が少々みみっちいのも確かである。
しかし本作は登場人物全員が、宿命と戦い散っていく人間としての輝きと美しさを秘めている。本シリーズのようなタイプのRPGは、やはり観客を引き込むストーリーが大切だと思わされた(そういう「消えゆく物語」への感情移入を狙ってプレイヤーの分身として軍師を登場させるシステムを採用したのであれば、インテリジェントシステム恐るべしである)。本作は任天堂のゲームだが、明らかに大人向けというか年齢が高いほど話が胸にくる。オーソドックスなFEが好きな向きには否定的な意見も多いが、重い内容を快適に遊んでもらうことを追求した姿勢を理解してもらえれば、と思う。
優良ゲームですおすすめ度
★★★★☆
根強いファンを持つFEシリーズ。本作品は携帯機版2作品目となります。
まずは良い点から挙げていきます。
良い点
・3人いる主人公の1人の話を、丸ごとチュートリアル(ゲームの進め方の説明・基本ルールなど)に使ったこと。
懇切丁寧に進行していくため、SRPG初心者も入って行き易い。
・上記のように主人公が複数いるため、一度クリアをしても、またプレイしようかなという気持ちになれる。
・前作、『封印の剣』から始まった支援会話が、閲覧できるようになった。
・『封印の剣』の以前の話ということで、前作を知らなければ面白くないのかと思われがちだが、
さほど気にするところはない。
次に悪い点を挙げてみます。
悪い点
・過去シリーズでもそうだが、今回も誤字脱字がひどい。粗捜しをしているわけではないのに、
容易に発見できるのは、ちょっと……。
・あるキャラが話すべきセリフを、別のキャラが喋ることや、バグが見られること。
……大まかに挙げて、このようなところでしょうか。
上では触れませんでしたが、ストーリーもしっかりとしており、
ボリュームも中々のものです。
現在までGBAでは3本出ておりますが、ゲームバランスなども一番とれていると思います。
「SRPGは難しいと聞くし、ちょっと……」
と思われている方、是非プレイしてみてください。
少し頑張ればクリアできる難易度ですので、お勧めですよ。
FEの傑作おすすめ度
★★★★★
FE初心者には親切な解説付きでゲームをスタートできるので
説明書を片手に進行する必要がありません。
また、主人公が3人いるので、3つのストーリーが楽しめ、さまざまな視点から物語を見ることができるので1本で3度おいしいです。
主人公達の心の葛藤や強さ・弱さが綺麗に表現されており
仲間キャラクターも個性的で魅力的。
封印との繋がりもあるので、烈火をプレイしてからでも
封印クリア後でも楽しめると思います。
またFE初の軍師システムが起用されており
ゲームの中に自分が1キャラクターとして参加できます。
主人公が自分のオリジナルのキャラクターに言葉をかけてくれるので
不思議な感じがしながらも感情移入がしやすいです。
そういう設定が苦手な方は1度クリアしたあとに
軍師システムを使わない設定もできるのでプレイヤーに優しい配慮が
されたゲームです。
初めての方もまだ未プレイな方にも是非ともやっていただきたいです。
本体を購入してもやる価値はあります。
初の女性ロード!!
おすすめ度 ★★★★★
封印より後に出ましたがまず封印をやりましょう、烈火は過去の話なのでにニヤリとする場面が多々あります。
初の試みである軍師システムや女性ロード(女性ロード)は面白いのですが後半になってくると軍師のありがたみが分からない。
例えば軍師がいない場合難易度が上がるとか…そういうのあったら良かったんですが。あとは女性ロードも後半になると能力的にパッとしない。
でもFEをやるならこれから、っていう新旧入り混ぜた内容になっていると思います。
概要
個性あふれるキャラクターと感慨深いストーリー、そして戦略、戦術を重視したシミュレーションRPGである。今回は2人の男女が主人公として存在し、それぞれの立場から物語を進めることとなる。最終的には共に戦うのだが…。
舞台は前作「封印の剣」から約20年ほど前のエレブ大陸である。プレイヤーは旅人となり、リンと言う少女とエリウッドという少年と共に冒険することになる。
今作では、「軍師システム」なる新しい要素が加わった点がポイント。時には旅の方向性の選択をも求められ、プレイヤーの決断によってシナリオにも影響が出てくるだろう。また新ジョブとして「修道士」という光の魔法を使うことのできる下級職が加わっている。どんな上級職になるのか育ててみてはいかがだろうか。
また、天候の変化によって戦略に大きな影響が出るようにもなっている。雨や雪などは、ユニットの移動力を低下させるので状況によって作戦を考えていかなければならない。さまざまなキャラクターが物語に絡むことで、シナリオに厚みが増してくるのが本シリーズの特長。ぜひとも全員生存でゲームクリアを目指して欲しい。(岡田幸司)